パレスチナを代表するハーブに、ザータルがある。早春にヨルダン川西岸の大地から芽生え、乾燥した季節も元気に生えている。野生のタイムの一種で、日本で売られているタイムよりも葉は大きい。オレガノのような香りを持ち、くせがある。このザータルに、甘酸っぱいスマックやゴマ、塩を混ぜたものもザータルと呼ばれ、パンにつけたり、ピサ風にして大量のザータルを乗っけたりして食べられている。最近開いた食事会で、中東料理が初めてという日本人にザータルを出したが、意外にも好評だった。ザータルと、中東から持ち帰ったタヒーナと呼ばれるゴマペーストをまぶした魚の刺身も、良かった。日本にはない味であり、そうした新鮮さが受けたのだろうか。