米国やロシアなどによる介入で複雑化するシリア内戦で、再び化学兵器使用疑惑が浮上した。非難の矛先はアサド政権に向けられている。長期化する内戦での化学兵器の使用はすでに数十回に上る。その多くがアサド政権による仕業とされるが、タブーとも言える化学兵器の投下はもはや常態化している。

それはなぜなのか。ロシアを後ろ盾とするアサド大統領は、欧米とロシアの対立で国連安保理が機能不全状態なのを見透かしているためだ。ダマスカス近郊の反体制派支配地域・東グータ地区で事件が起きたのは今月7日。ほぼ1年前には、米トランプ政権がアサド政権による化学兵器使用を断定し、シリアに巡航ミサイル「トマホーク」59発を撃ち込んだ。

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